BOYSエステ 第11話
『プリンスエステ』とのエステ対決で、新城光に見事勝利した響。そんな響に、叶は突如、ロンドン行きの話を持ちかける。響はもちろん、その場にいた静香と七里も驚きを隠せない。実は、『BOYSエステ』ロンドン支店進出を見据え、技術を学ぶためにロンドンへ行くことになった叶が、響も一緒に連れていきたいと考えていたのだ。しかし、ロンドンに行くとなれば、家族と離れ、学校も辞めなければならない。何よりも、静香に会えなくなる……。戸惑う響は、「少し、時間をください」と叶に告げる。
その夜、響のロンドン行きの話にショックを受けていた静香は、七里と歩いていても、心ここにあらず。「静香を母親に紹介したい」という七里の申し出にうわの空で返事をしてしまい、我に返った時には、すでに七里が母親とメールで約束を取り付けた後だった――。
エステ対決後、叶や名和製薬会長・名糖和子(仮の姿は、掃除婦の江崎友子)の活躍によって『プリンスエステ』の妨害もなくなり、『BOYSエステ』は以前の活気を取り戻していた。
そんななか、響は七里から「明日、静香をオレの母親に紹介するから、最高にキレイにしてやってくれ」と施術の交代を依頼され、静香を担当することになる。とまどいながらも響の施術を受けていた静香は、ふいに、「七里さんのお母さんに嫌われたらどうしよう」と不安な思いを打ち明ける。しかし響は、「静香さん、本当にキレイだよ。静香さんなら大丈夫だから……」と、眩(まぶ)しそうに静香を見つめて答えるのだった。
そんな響のやさしい言葉を、静香はせつない気持ちで受け止める……。
一方、吉馬は『BOYSエステ』の親会社・名和製薬の社長である父親の圭介から、「名和製薬で働かないか」と持ちかけられていた。会長の和子から、次期社長候補として認められたのだ。しかし、そうなれば『BOYSエステ』のオーナーを辞めざるを得ない。
響、静香、七里、そして吉馬。
それぞれがみな、新たな道への選択を迫られていた――。
翌日。静香は、七里と七里の母・杏子の三人でレストランで食事をしていた。二人の出会いのきっかけを杏子に聞かれ、静香が三段腹だったことを七里が話すと、杏子は、なぜそんなにキレイになれたのかという素朴な疑問を、静香に投げかける。その言葉に、黙り込む静香。
その頃、響は施術室でエステの自主練習をしていた。そこへ『プリンスエステ』オーナー・春日井がやって来る。警戒する響に、春日井はかつて自分もゴッドハンドと呼ばれていたが、エステティシャンとしては致命的な手のケガにより、経営者となったことを告白。「お前はオレみたいに、自分の才能をムダにするな」と告げて、『BOYSエステ』を後にするのだった。響は、自分の手をじっと見つめ、ある決意をする。
一方、杏子の問いかけに、なぜ今の自分があるのかを思い返す静香。どんなときも支えてくれた響の存在、そして励ましの言葉がよみがえり、ボロボロと涙がこぼれる。静香の気持ちに気づいていた七里は、そんな静香を見つめ「響のところに行けよ。もうこれ以上、自分をごまかすな」と告げる。席を立ち、走り出す静香。残された七里は、杏子に「学園の仕事を本気でやってみようと思っている」と、ふっきれたような明るい表情で打ち明けた。
息を切らせ『BOYSエステ』にたどり着いた静香。響がいるスタッフルームに駆け込んだ、まさにそのとき。
響は、叶に「ロンドンに行かせてください」と伝えていた―――。
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