MouRaトップページ> 読み物/エッセイ>

ホットインタビューズ

RSS
あの人に会いたいっ!だから直撃!! ホット インタビューズ 新企画スタート HOT INTERVIEWS
世界が認めたオタクの王様 海洋堂 造形師 ボーメ氏:美少女”は自由な世界だ!
 << 前頁
[1][2][3]
次頁 >> 
海洋堂は世界レベルの才能が集まった子どもの軍団
専務は著書『造形集団 海洋堂の発想』(光文社刊)で海洋堂は奇人変人の集まりだと絶賛していますが、みんなそういう人ばっかりなんでしょうか。

まあ、会社が18時で終わるのに、23時まで残って仕事しているというのもおかしいですよね。会社も終業時間過ぎてるのに、開けてくれて、好きなもん作りたかったら作っとけや。ゴハンもあるで、と。仕事場が生活空間になってるんです。

海洋堂はある面でお子様なんです。その上で、みんないろんな分野で抜きん出てる人たちなんですよ。動物が好きだとか、アニメが好きだとか。そういう人が18時に帰れと言われても、逆にストレスは溜まりますよね。夜になっても残ってると、みんなでシビックのバンに乗って、寿司詰めになってモスバーガーに買い物に行ったり、銭湯に行ったりするという、会社員なのに学生みたいなこともしてました。しかも専務が率先して行こうとか言うんですよ。規制はあるけど、子供っぽさを受け止めてくれる姿勢があるから海洋堂があると思いますね。

その海洋堂の姿勢というのはどこから生まれたんでしょうか。


原型を製作中のボーメ氏。ファンド(紙粘土の一種)で人物のラフをつくり、それを切ったり削ったりして、形を整える。細部の修正は紙ヤスリを使うため、手はファンドの細かい粒子で真っ白。
⇒拡大画像はこちら
専務や館長(宮脇修)の人柄でしょうね。土日も会社を開けて、作業をやらせてくれるところなんてなかなかないですよ。電気代もバカにならないのに。でも、それが作る人間にとっては糧(かて)となるんです。それにみんな天才ですから。作るものには本当に気合が入っています。『ワンフェス』でいろんな作品を見ても、ぼくが「おおっ!」とワンダーを感じるのって海洋堂の造形師たちの作品だったりすることが多いんです。

もうひとつ、ぼくが海洋堂にしがみついているのは、ここだったらいろんな人の作品が見られるということです。食玩の原型も見られる。チョコのおまけは、大量生産しますよね。大量生産するには金属の鋳型を作って複製を作るから、精巧といってもやっぱり荒いんです。金型ですと、ミクロン単位の細かいところまで再現できません。それに粘土で作った原型は質感と言いますか、肉感と言いますか、雰囲気の質がゼンゼン違うんです。その手作り感を見るというのは、ほかでは絶対に味わえない感動ですよ。原型を見る喜びは絶対にありますね。しかも世界でもトップレベルの才能が集まるところですから。

ぼくは常に「こういうものを作ってきたんだぞ!」というビックリドッキリを追っていきたいし、見せてもらいたいんです。「どうだ」と見せつけてくれるのは海洋堂なんですね。食玩でも。『ワールドタンクミュージアム』なんか、最初は試験的な気持ちではじめたのに、できたら完成度の高いものになってしまって、ブレイクしてしまった。挑戦的ですよね。あのサイズ(144分1、約3cm)で35分の1モデルに迫る緻密さですから。チョコのおまけがこれでいいのかと。海洋堂の人間は一番チャレンジなことをやっているわけです。ほかの食玩やガレージキットを見ても、「ウチのがうまいやん」と思ってしまいますから。まあ、海洋堂は館長や専務、白井武士とか、みんながチャレンジャーですからね。そういうところをひっくるめて、海洋堂は子どもの集団で、天才もいっぱいいる会社なんです。凡人のぼくはヒーコラついていくだけですよ。
自分のイメージや技術を思い通りに発揮できるのが美少女フィギュア
とは言いながら、“美少女”といったら、ボーメさんは第一人者じゃないですか。スタイルがよく、カッコいい作品をずっと作り続けていますよね。

作りたいというものはあったんですよ。けど、自分にはやれることがこれしかなかったということですね。ぼくがやっていることは一番手薄なところなんです。ぼくがやらなければ、海洋堂は“美少女”なんかやらなかったでしょう。つまむ程度で。ぼくが一生懸命にやりすぎて、なんか知らんけど海洋堂のジャンルに入り込んでしまったと。館長や専務は恐竜とか戦車とかアカデミックなものをやりたかったのに、ぼくがそういうのを無視して突き進んでしまったから、こうなったということですね。

突き進んだ最初のきっかけはなんだったんでしょうか。

好きな作品があったからです。それを立体にして手に持ちたい、見たいと思ったんですね。怪獣やヒーローものなんかの“実際の立体物”はなかなか自由に作れないんですよ。ロボットもちゃんとシンメトリーにしないとアカンとか、カタイ約束がいろいろあるし。たとえば、怪獣は着ぐるみどおりにしないとダメというのがあります。チャックまで再現して、精密に作らないといけない。怪獣やヒーローは現実にそういうキャラがいるというイメージでチャックを取り、着ぐるみのようなデザインじゃないリアル感を出したらダメな時期があったんです。80年代に。買う人は本物の着ぐるみのレプリカ、縮尺モデルが欲しいという意識が特に強かった時代でしたから。だからチャックとかも「あの回のチャックのついている位置が違います」とか「仮面ライダーのあのときのバックルは逆になってました」とか細かいことが要求されるようになります。そうなると面白くないし、やりたくもない。メカはメカで見るのは好きだけど、作るのはちょっと苦手ということもありました。

その点、美少女だといろんな自分のイメージとか技術とかを思い通りにできるんです。服のシワの作り方を変えてもゼンゼン大丈夫ですから。それって他のジャンルではできないんです。いろんなモノを放り込んでも大丈夫、いろんな細工をしても許される表現として残っていたのが美少女だったんです。それに描いている人にも会えますしね(笑)。会って作家さんと交流ができるというのもうれしいですよ。

美少女が好きだったということよりも、ほかになかったと?

当然、美少女は好きですよ。当時はラムちゃんとかも好きでしたし。でも、好きな作家がいて、その人のデザインしたキャラクターだからというのも、ひとつの目的でしたね。“この作家が大好きだから、作ろう”と。で、機会があればお会いできればなと……。それでポーズを自分で考えたり、その人の絵をそのまま立体化したりしました。

エヴァブームのときの綾波レイとか、売れ筋というのは狙うんですか。

エヴァンゲリオン』のときは考えてなかったんですが、意識するときはあります。それと『セーラームーン』を作ったときに、よその造形師さんにイヤなことを言われたんですよ。「あんたが作るとそれが一番になってしまうから、作ったらアカン」と。「えー?」と思いませんか。「下手で全体のレベルを下げるから作るな」ではなくてですよ。裏を返せば誉め言葉なのかもしれませんが、そのときは頭にきて「なんじゃそりゃ……?」と思いましたよ。仮にも“モノを作る人間”がほかの誰かを一番なんて決めて、そんなことを言い出したらそれはすごくダメなことだと思うんですよ。ぼく自身、自分が一番なんて思えないし、実際そうじゃないんですから。

ただ、そう言われてからは、ブームがズレたときに作るということになりましたね。それでも『エヴァンゲリオン』は大ブームのときに海洋堂の仕事として1、2個作ったかなあ。


造形ルームにつながる廊下のショウウインドウに並ぶ原型。ボーメ氏のほとんどの作品も展示されていて、圧巻。なかにはオークションで300万円という値段をつけられたものもあるとか。
基本的に自分の作りたいものを作って、ブームに合わせて作るということをしないということですか。

そうですね。それに有名なキャラクターって、ほかの人がいっぱい作ってるじゃないですか。だから自分は違うものを作ったほうが面白いし、目立つんじゃないかと思うんですよ。ほかにはマンガや映画、写真を見て作りたいものを作っていますよ。専務に「オレが作れって言っても、作らへんやないか」と言われながらね。

好きな美少女の系統とかはあるんですか? メガネっ娘が好きとか、妹キャラとか委員長キャラとか、いろんな系統が生まれていますけど。

それは時代によって変わりますね。あのときはこのキャラが好きだったけど、いまはこっちが好きと。いま、気になる人は大暮維人さんですね。ものすごく気になってるんですよ。突然出てきて、ブレイクしているじゃないですか。この人の描くものもどんどん変わっていっていて、いいなあと思ってるんですよ。

しかもこの人はファッションセンスもいいんですよ。いま流行のものとかそういうのじゃなくて、自分で考えて描いているような感じですし、色の使い方とかにもひかれますよね。この人の作品はまだ作ったことはないですけど、チャンスがあれば作りたいですよね。いろいろあっていまはダメですけど。作るときに許可がないとダメですからね。悪あがきしていると、チャンスが巡ってくることもあるので、いまはいろんな媒体で、彼の絵にひかれていると言ってます。(⇒次頁へ
●造形ルームに潜入!
造形ルームに潜入!
 4分28秒
WMPで再生

推奨環境

メディアプレイヤー設定方法

メディアプレイヤー

 ●趣味は仕事
趣味は仕事
⇒拡大画像はこちら 
趣味が仕事に、仕事が趣味に。画像はボーメ氏が趣味で作ったオリジナルキャラクター『レリアちゃん』(高さ約40cm)。2002年冬の『ワンフェス』で発表された。組み立て着色前の定価は1万8000円だったが、完成品なら3万円以上になることも。趣味で作ったフィギュアを『ワンフェス』で売るときは、海洋堂ブースではなく、ボーメ氏個人のブース扱いとなる。
 


 << 前頁
[1][2][3]
次頁 >> 
世界が認めたオタクの王様 海洋堂 造形師 ボーメ氏 “美少女”は自由な世界だ!
ホット インタビューズINDEX  

【占い】ダークサイド占星術 結婚相性サンプル-07.10.09
【マンガ】バーバーハーバーNGサンプル-06.06.17
【エンタメ/テレビ】cafe de よしもとサンプル-06.01.01
【読み物/エッセイ】志らく計画サンプル-05.07.08
【エンタメ/テレビ】CloseUp WebMovies無料-09.08.13