MouRaトップページ> ニュース/スクープ>

危機の正体 [書籍]

RSS
短期集中シリーズ 危機の正体 第2回 AV、性病、コンドーム エイズの温床は女子高生
赤枝恒雄 あかえだ・つねお 赤枝六本木診療所院長
先進国で今エイズが増えているのは日本だけ――WHOでこう指摘されているにもかかわらず、日本では性教育がいまだにタブー視され、エイズを防ぐための正しい性知識を教えることもできない。それどころか、性教育を行なう教育者は転任させられる状況だ。現実に目を向けると、小学生や中高生の性体験は年々増加、性感染症罹患率も確実に増えている。マスコミは目をそむけがちだが、驚くべき惨状が広がっているのだ。そんな子どもたちの無謀なセックスに歯止めをかけようと、性教育イベントを立ち上げ、ラジオで語りかける産婦人科医・赤枝氏が、今の日本に必要とされる方策を提言。
性教育授業で、校長ほか116人が処分される
学校で真面目に性教育をしたりすると、担当の先生は転任させられるなど処分の対象になってしまう。去年もある養護学校で性知識を歌で表現して教えていたら、その学校の校長はクビになってしまいました。「頭の下には胸がある。胸の下にはおへそがあるよ。おへその下には陰部があり……」といった歌詞で子どもたちに教えていたのです。ところが、メディアが批判的に取り上げたことで、教育委員会が動いたのです。ここ数年、性教育に対するバッシングはひどいですね。

2003年7月5日付の産経新聞朝刊に、七生養護学校の性教育に対し『過激性教育 都議ら視察』という記事が下半身むきだしの人形3体を並べた写真と共に掲載された。

「最近の性教育は口に出す、文字に書くことがはばかられるほど内容が先鋭化している」として、7月9日には都教委が30人を超す指導主事を動員して教員全員から性教育実践について事情聴取し、学校での性教育を記録したビデオ、人形などの教材145点を押収。さらに都教委は、その後「都立盲・ろう・養護学校経営調査委員会」を設置し、9月になって「不適正な性教育」「不適正な学級編成・服務」との理由で、七生養護学校の校長の降格をはじめ116人の異例の処分を強行した。

ところが、七生養護学校の性教育授業は、内容も含めて父母のコンセンサスを得たうえで行なわれており、授業には希望者は誰もが参加でき、また受けさせたくない場合は自由に拒否できたことから、都教委のこの処分に対する抗議行動も起こった。
性教育は断固阻止するが、子どもの情報源には無頓着
私もさまざまな圧力を始終受けています。たとえば、僕はうるさいくらい「コンドームしろ、コンドームしろ」と発言しているのですが、「それは子どもに『セックスしろ』と言っているようなもんだ。やめろ!」「殺してやる!」という脅迫まがいの抗議が来ます。性教育をしたり「コンドームをつけろ」と言うと、子どもたちのセックスの時期が早まると思っている人が多いのです。しつこい、気持ちの悪い手紙もたくさん届きます。学校の先生もそういう恐怖にさらされているのでしょう。

ところが、我々が正しい性教育をしないで放っておくから、間違った情報に流されて無防備で危険なセックスになる、ということがまったく理解されていない。

お母さんたちは、そんなに性教育がダメだって言うのなら、なぜコンビニで売っているエロい雑誌とかエッチビデオなどをもっと阻止しないのか?

「別に性教育などしなくても、じーっとしてれば、そのうちどうにか覚えるもんだ」とか、「性に関してよけいなこと言わないでくれ」、「ウチのコに限っては大丈夫だ」といまだに言っている。その結果、性病は増える、中絶は増える、エイズも増えて、実態は悲惨なことになっていますよ。
子どものセックス教材はアダルトビデオ
子どもたちはセックスをアダルトビデオ(AV)から学んでいるのです。ですから「3人でやるのがプレイとして面白いんだ」とか「アナルに入れると女の子は感じる」と勘違いしている。街で遊んでいる女の子に話を聞くと、5人のうち3人がアナルの体験者だったこともあります。

「あんなの痛いだろ?」って尋ねると、「痛いけど、やらしてくれって言われるから」と答えます。AVを観ると女優さんはアナルに入れられて「キャー気持ちいい」とかみんな言っているから、「女の子は気持ちいいんだ」と思って、男の子たちは「やらせてくれ」って言うのですよ。この前も、ある女の子が「『痛い』って言っちゃったら、『お前おかしい』って言われて殴られた」そうです。気持ちよくないとおかしい、感じないとおかしい、声を出さないとおかしいって思い込んでいるのです。声を出すほど気持ちいいなんてことは最初からあり得ない、ということすら知らないのです。それを男の子がわかっていないから、女の子に対していろいろ屈辱的なことをする。レイプでもなんでも「入れりゃ感じるんだ」と思っている。だから、正しいセックス、悪いセックス、しちゃいけないセックス、そこまで性交教育をしなければいけないのです。

統計では、中学1年生の性体験者が3%、中2で8%、中3で13%と出ています。ですから中1の時期に性病や妊娠、一生治らない病気のことなどを話しておかないといけません。簡単に興味本位でセックスをされたら親も一生泣くことになりますよ。もし万が一でもHIVに感染したら、毎月薬代だけで30万円はかかります。毎月30万円はキツイですよ。だからといって、国に障害者手帳をもらおうと思うと、関係者にはHIV感染がバレてしまう……。取りあえずは自費で払うとしても、お金にも限界がある。まあ、親が教えなかったせいもあるから仕方ないかもしれませんが。[次頁
前頁 1| 次頁
「危機の正体」トップページ
【占い】エル・アシュールのクラシック西洋占星術 星の羅針盤サンプル-09.03.23
【占い】人間の表と裏を読み解く、インドの奥義サンプル-09.02.26
【占い】“数魂”姓名占い あなたの人生のピークと成功の形サンプル-08.11.11
【占い】エル・アシュールのエンジェルリーディング 天国の扉サンプル-08.08.19
【環境/エコロジー】ECOLOGUE無料-09.08.24
image
〈赤枝恒雄プロフィール〉
1944年徳島県生まれ。1968年東京医科大学卒業後、東京医科大学産婦人科学教室入局、1977年東京都港区に赤枝六本木診療所開業。1991年に婦人の保健向上を目指して(財)赤枝医学研究財団を設立。1999年六本木の喫茶店で“街角相談室”を開設し、若者の無謀な性行動の実態を目の当たりに。以後、若者に直接語りかける性教育を広く実践している。著書『ガールズガード』『子どものセックスが危ない』(ともにWAVE出版刊)、『セックスが地球を滅ぼす』(ソフトバンクパブリッシング刊)。毎週月曜日深夜25時半放送の『ガールズガード 女の子の保健室』(文化放送)でメインパーソナリティを務めている。
image『浮き足立ち症候群 危機の正体21』
本連載「危機の正体」が単行本化!/著者:加藤秀樹(構想日本代表)編/定価:2,520円(税込)⇒講談社BOOK倶楽部で購入する