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現代ではコミックマーケットに参加する人は、なんと50万人にも達すると見られ、一日に20億円ものお金が動く市場と概算されている。「エヴァンゲリオン」を通過したオタク文化は、現代日本に面白い花を咲かせ、文化的にも産業的にも国際的な注目を集めている。そしてまた、「一個人で素晴らしいアニメーションをつくりあげた」、「コミケのスターが商業に移行する」などといった新しいファンタジーが生まれている。そうした中、設立後20年を経たガイナックスのファンタジーは今も継続しており、「結末はまだ全然わからない」という意味において、驚くべきことに物語はまだまだ序盤という雰囲気すら漂っている。「そうか。この人たちにとって最大の作品は、自分たちの活動そのものなのか」と、ここまで書いて思い当たった。であるならば本書は、ひとつの大きな物語を、さまざまな視点から読む作品集となる。ぜひ楽しんでいただければ幸いです。
(『ガイナックス・インタビューズ』まえがきより)
ガイナックス取締役統括本部長、プロデューサー。代表作『ワンダフルデイズ』
まったくの異文化で育ちながら、共有する文化がある。たとえば日本人である僕らが、同世代のアメリカ人と話す機会に『スタートレック』や『奥様は魔女』の話題で盛り上がることができる。それは子供の頃に観ていた番組を共有しているからできるんです。同じことが今、アニメや漫画で世界的に起こっているんですよね。 ガイナックス取締役、アニメーション監督。代表作『ふしぎの海のナディア』『トップをねらえ!』『新世紀エヴァンゲリオン』『式日』『キューティハニー』
しかしその場合でも守るべきものは僕自身じゃないんですよ。守らなきゃならないのは作品であり、現場スタッフなんです。それを外から防御するために監督である僕が最前線に立っているだけです。でき上がった作品について僕が悪口を言われるのはいい。そういうときに矢面(やおもて)となる対象として監督がいるわけですから。しかしスタッフの悪口を外から言われるのは許せないですね。 アニメーター、演出家。代表作『新世紀エヴァンゲリオン』『キューティハニー』『Re:キューティハニー』
それに、ハリウッドの作品は、場面の経過的な段取りを全部見せてやってしまいますから、スタイリッシュじゃないんですよ。それでいうと『マトリックス』は、まだ段取りを抜いているほうですけど。また、さっき言ったように、演出の詰め方が甘いのがわかってしまうんです。全部CGでアクションをつくってしまうほどのお金があるんだったら、きちんと最後まで、映像を詰めてつくっていけばいいのにと思うんですよ。 漫画家、キャラクターデザイナー。代表作『新世紀エヴァンゲリオン』『フリクリ』『トップをねらえ2!』
そうですね。並びが見えてくるんです。メカも含めて、その作品の世界観の中にはどういうキャラクターがいるのか、見えてくるんです。僕は車が好きなので、車の例でたとえるとですね。昔はカローラとサニーのデザインはそっくりでした。それは同じターゲットの同じお客さんを狙っていたからそうなったわけですが、キャラクターデザインではそういうことをしちゃいけない。 キングレコード取締役、プロデューサー。代表作『新世紀エヴァンゲリオン』『鉄人28号』
僕は『鉄人28号』('63)が大好きで、アニメ版が放送されて大ヒットしていた昭和30年代には、夢中になって観ていました。「鉄人の時代」って言ったらおかしいけど、昭和30年代後半から40年代前半のあの頃に、物理的には無理だけど、精神的にタイムスリップしたいなと思うんですよ。あの頃の日本は現在より貧しかったけど、元気があった。 ガイナックス取締役、アニメーションプロデューサー。代表作『彼氏彼女の事情』『フリクリ』『トップをねらえ2!』
しかし現在、日本でつくられているアニメの半分以上は、その作品がほかの商品群への興味の喚起(かんき)を目的とするもの、いわゆるコマーシャルアニメなんですよ。ある個人の創作者の作家性が前面に出た作品もありますが、機能や目的が違うさまざまな作品が、たまさかひとつのアニメというジャンルの中にごちゃまぜに存在している。それが日本のアニメの実情であり、だからこそ素晴らしいと僕は考えています。 演出家、アニメーション監督。代表作『ぷちぷり*ユーシィ』『トップをねらえ2!』
あちらのお客さんは映画館の中でお祭り騒ぎをしながら『スター・ウォーズ』を楽しむ感じで、ノリがぜんぜん違うんですよね。その様子を見て「これでいいんだ」と納得しました(笑)。『スター・ウォーズ』みたいな作品をつくりたくて、この仕事をやっているようなものです。今でもそうですね。「自分の観たいスター・ウォーズを自分でつくらなきゃ」という気持ちに駆り立てられて、今もやっています。 映画監督。代表作『ローレライ』
この一瞬一秒を逃がしてなるものかと、夢中でキャメラを回しまくったんです。そこには「どうやったら本物に見えるだろうか」と迷うような存在はないんです。うまくいえないですけど本物が、エネルギーの塊がキャメラの前にあったんです。「世の中にあふれている芝居というものは、実はこのエネルギーをコントロールしてやってるわけか! それはすごく面白ぇ!」と感じたんですよ。 GDH会長、プロデューサー。代表作『青の6号』『サムライ7』『岩窟王』
自分が観たいと思う作品のために「どんなクリエーターさんだったら実現できるだろうか」とか、「どんな仕組みでやればできるだろうか」とか、そういうインフラについてはものすごく考えるんですよ。仕組みをつくっていって、その仕組みのなかでクリエーターさんがどれだけ頑張れるか。お客さんが観たいもの、クリエーターさんが観たいもの、自分が観たいものに向かってどれだけ頑張れるか考える。 ガイナックス統括本部次長、総務/ライセンス担当部長。
僕自身、DAICONFILMの活動にはかなりのめり込んでいましたけど、それで自分の人生が変わるなんて、当時は考えていませんでした。「俺はこれでプロになる」と言えるようなモノが、自分の中にはなかったですから。やっぱり、「この活動はこの時期のものだ」と思っていた。いや、いつか普通に戻るような前提を持ちながらも、「今、こんなに面白いんだから」と先のことは考えないでいただけ。まさしく、「ビューティフルドリーマー」状態ですね。 アニメーター、アニメーション監督。代表作『新世紀エヴァンゲリオン』『フリクリ』『トップをねらえ2!』
もちろん、音楽のライブは1秒後にはどういう音が出てくるのかわからないという短い時間の中でやってたりするんでしょうけど、そこはアニメの場合、もっと引き延ばされた時間でやることになる。その点が、音楽をやっている人の羨ましいところですね。考える前に音が出てしまえば考えなくてもいい。しかしアニメーションの場合は絵が実際に上がってくるのに2週間かかったりするわけで、どうしてもその間に考えてしまうんです。「ここは違うな」とかね。 アニメーター、演出家、キャラクターデザイナー。代表作『彼氏彼女の事情』『アベノ橋魔法☆商店街』『Re:キューティハニー』
ファッション誌でも最近は、本来は服を見せるための写真であるはずなのに、普通の風景の中をただ歩いているだけとか、ガードレールにだらーんともたれているとか、「全然どういう服かわかんないよ」っていう写真を撮っていたりする。そういうものが出てきているってことは、「様式化された決まりきった写真だとつまんないな」という感覚のひとつの傾向ですよね。そういった流れは、やっぱり絵でも音楽でもあるんじゃないかと思います。 ガイナックス取締役、イラストレーター、ゲームディレクター。代表作『プリンセスメーカー』『星界の紋章』
僕としてはゴジラ対自衛隊が見たいわけじゃない。巨大な異物が出てくることで、日常がぐらっと揺れるような瞬間。僕はこれが普遍的な娯楽だと思うんですよ。異物感。日常の中になにかが突き刺さって、気になる。それが存在感を増していって、日常が異物で塗りつくされたら、物語ももう終わり、という感じです。 バンダイビジュアル専務取締役、プロデューサー。代表作『王立宇宙軍 オネアミスの翼』『AKIRA』『スチームボーイ』
「チャンスがあれば、失敗を恐れずに打席に立ってバットを振ってみろ。ベンチの裏で素振りをしていても永遠にヒットは打てない。三振でもいいからとにかく打席に立って振ってこい」と、僕らはさんざん言われていました。そういう会社でしたから、こんな素人みたいな僕に、入社3年目か4年目の僕に、映画をつくらせてくれたんだと思います。 ガイナックス代表取締役、アニメーション監督。代表作『王立宇宙軍 オネアミスの翼』『トップをねらえ!』『まほろまてぃっく』『ワンダフルデイズ』
僕に限らず、赤井に限らず、誰に限らず、みんなやりたいようにやるしか、生きる道はないのではないかと思います。やりたいと思うことをやりたいようにやって、「この道は、なにか自分の目指すポイントに通じていればいいな」と祈りながら歩くしかないです。そこらへんはわりと固く信じているんですけどね。「わからない」とは言ったけど、そこのところは間違ってないんじゃないかな。否定する材料は、あまりないんですよ。 |
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