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| 今回からは、muzo公式オンラインイベント「slashup★02
FLASH web Festival」で公開されるSlashup★02上映作品の公開日をお知らせしています!
イベントに行けなかった方も、是非イベントレポート片手にお楽しみください!(2006.08.11) 第1部がFLASH技術の結晶を見せ付けるショーケース的な作品群であるとすれば、第2部からが「Slashupらしい」作品群の登場といえるかもしれない。 下手なアニメフェスティバルよりもショーマンシップにあふれる作品の数々。参加者はFLASHの懐の深さを改めて感じたはずだ。 |
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| 第1部の最後に待っていたのは、今回のイベントに向けて公募された作品の中でも、特に秀逸な作品を取り上げるコーナーだった。ただ一方であれほどのクオリティが並ぶ第1部で目の肥えた観客が耐えうるレベルを維持できるのか。そんな不安がよぎっていた。 しかしフタを開けてみれば、上映作品のクオリティは実に高かった。特にGUPONEX氏の「Bezier」(8月10日公開)やSAVI氏の「/UP」(8月12日公開予定)のレベルは招待作品に全く引けをとらないものだった。 当初から一分という時間制限を設けての募集ルールの中で、GUPONEX氏はいわゆるPV系作品を出品した。巨大なスクリーンにnum1000を彷彿とさせる幾何学的なモチーフが縦横無尽に走り回る。「Bezier」は、短さゆえのさわやかな後味を残すPVだった。
SAVI氏の作品は「Slashup」の略称である「/up」の字づらを利用したネタものFLASH。誰もがそれを使えずにいた禁句の大ネタを堂々と使い、客席を爆笑の渦に叩き込んだのは見事の一言。ここでネタをばらすよりは、ぜひともその目でオチを確認してほしい作品だ。
そして、技術力もさることながら、ネタものFLASHとしてこのパートの話題をかっさらったのは春日森春木氏の「断食力士」(公開未定)だった。かつて某ネズミキャラを右斜め横からインスパイヤしたすなふえ氏を彷彿とさせる、不敵なまでのネタ使い。 すなふえ氏はネズミの帝国に挑んだが、春日森春木氏はネトアニで大人気の戦車に挑んだ。ある意味で著作権的に真っ黒なこの作品こそ、もっともこのイベントらしいFLASHだったのかもしれない。 パートの最初に上映されて「続編製作中」とのアナウンスのあと、パートの最後に再び上映するというプログラムの妙も見事。1作目で沸いた会場の温度が沸点まで上がったことは言うまでもない。
実にレベルの高い一般公募枠。第1部でFLASHの可能性をクールに提示したSlashupは、ここでさらに新世代への期待を我々に見せてくれた。 |
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大作ぞろいの第1部に対し、良作・怪作のオンパレードだった第2部は、シマシマ氏の「Morning
Grows」(8月9日公開)からスタートした。花と少女をモチーフに、非常にやさしく描かれた広がりのある世界観は「Grows」というテーマにふさわしい演出だった。
その映像美に観客が息を呑む中、続くスノコ氏のFLASHが登場。「Rebirth」(公開未定)と銘打たれた作品はさらに観客の視線を釘付けにした。 会場スクリーンに映し出された、テレビ画面の砂嵐から現れた光景は本物の砂漠。人間の目や蟻などが無機的に動き回る荒涼たる大地を不条理に描ききった世界は、カルト映画として名高い「ファンタスティック・プラネット」を彷彿とさせる仕上がりだった。 この2作品で完全に飲み込まれた会場だったが、ここで一気に引き戻すのがSlashupの真骨頂。そしてイベントはここから一気に加速していく。 FLASH★BOMBからSlashupにいたる流れの中で、オフラインイベントが開拓した可能性の一つが観客の存在だった。2004年に発表された熱湯氏の「山田くんロックンロール」で花開いた観客参加型のFLASHはイベントの醍醐味の一つだろう。 「今年はお客さんが参加できるゲームがあるよ」 開演前、主催の五十嵐ひかり氏は楽しそうに今回の見所を語ってくれたが、タカヒロウ氏の作品がまさにそれだった。丁寧に作られた、タカヒロウ氏の良作FLASH「占いガール」(8月4日公開)が発表されたあと、あわただしくセッティングされる舞台。
スクリーンに映し出されたのはモアイ消しゲーム「モアイの巣 RUSH」(8月5日公開)だった。ルールは簡単。観客が起こす拍手の音量に比例して画面上に発生するモアイをひたすらマウスで消し続けるだけ。その単純さに参加者は現実の熱狂へと引き戻された。
そして真打ち登場だ。観客参加型FLASHの元祖、熱湯氏の新作「歌とリズムのわくわくキャラバン」(8月10日公開)はリズムに合わせて足踏みをさせるというものだった。新たな可能性に観客も大いに沸いたが、床が固い東京会場では手拍子ほどの盛り上がりを演出できなかったことが少し残念。ただしFLASHそのものも非常に高いクオリティで、横綱相撲の貫禄を感じさせるものだった。 さらにイベント常連組の作品が続く。「大日本昔話」などシュールな作風を貫き続けるnnm氏の新作「みんなであそぼう」(8月5日公開)の登場にひときわ大きく沸き上がる歓声。なによりもnnm氏への期待を物語る歓声にnnm氏は完璧に応えきった。nnmイズムが爆発した投げっぱなしのシナリオはハイナンセンスの結晶だ。今すぐに確認して、そして爆笑していただきたい。
続くみやかけお氏も、もはやイベント常連として大御所の風格すら漂う時事ネタFLASH「粗忽桃太郎」(公開未定)で観客のご機嫌を伺う。ライブドアをはじめとする危険な社会風刺ネタ連発で大きく沸く観客席。次第にFLASH界最強の刺客の標的は、舞台の上にも向けられ始めた。昨年ひろゆき氏をネタに爆笑を誘ったみやかけお氏の今回の標的は「ジャーナリスト」井上トシユキ氏。
そして第2部のトリを飾るのはネット上でも大きな物議をかもしたぴろぴと氏の怪作「ちっちゃなちーちゃん」(公開未定)だ。 「作者の意図を踏まえ、あえて提出されたままの作品を上映します」と上映前に主催側から流された異例のアナウンスが作品の全てを物語っているかもしれない。 すなふえ氏、wosa氏の作品を笑って紹介し続けたmuzoが戸惑った「問題作」に場内は騒然。イベント終了後はネット上でもその作品の是非が激しく問われ、作者であるぴろぴと氏がその日のうちにホームページに公式見解を発表するほど。 少女をモチーフにしたグロテスクな「なにか」に性欲を表現するという、許されうる創作活動の限界に挑戦した問題作に、上映中はぴろぴと氏がフランケンシュタイン博士とだぶってすら見えた。舞台の上にいた司会を含めた6人の中で大喜びしていたのは、へべれけのかーず氏のみ。上映が終わり、舞台にライトが落ちたあとも、あとの5人はあまりの内容に、どう対応していいのかわからない様子だった。 数々の賞を総なめにしてきたぴろぴと氏が自らの研究室で生み出した新境地は、まさしく壮大なる実験作という表現がふさわしい。公開される際にはぜひともその目で確認していただきたい一作だ。 Slashupの名にふさわしい名作・怪作が出揃った第2部は、もっとも「FLASH★BOMB」の遺伝子を受け継ぐ作品が集中した構成だった。 「slashup★02 FLASH web Festival」でほとんど上映されない作品ばかりが集中するというのも偶然ではないのかもしれない。 「何も変わってないよ」という五十嵐ひかり氏の思いを体現したプログラムと作品群。渋谷のど真ん中でありながらロフトの胡散臭さを見事に呼び起こした製作者と主催者の采配に拍手を送りたい。 |
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| そして第3部。例年ここで上映されるプログラムは大作・名作のオンパレードだ。その年の話題作家や大御所、そして期待の新人などがここで紹介されてきた。多くのFLASH作家にとって、このイベントの最終ラウンドで作品を上映されるということの意味は大きい。 その最終部の口火を切ったのは「ニート代表」アンタイトル氏だ。最近自らも「晴れてニートになった」とすがすがしいメッセージを寄せたアンタイトル氏の放つ作品は「メガネ大戦」(8月6日公開)。 秘密結社がメガネにものを言わせて、福井から日本全国を飲み込んでいく様を描いたバカバカしくも壮大なストーリーは圧巻。作品全編を通してにじみ出るコンプレックスと偏執的なまでのメガネへのこだわりは、毒男にしてニートであるアンタイトル氏だからこそ描ける世界だ。 「福井県の国内メガネ生産シェアが90%を超えるということに感銘を受けて制作した」とアンタイトル氏は語ったが、作品から溢れ出るメガネへの思いこそがこの作品の肝だろう。壮大なスペクタルに隠された上質の「キモさ」を是非とも味わってほしい。
そしてラレコ氏の「やわらか戦車」先行予告編、tigo氏「MUSIC FIGHTER Episode II Distiny」からFLASH板譜代の巨匠、たけはらみのる氏の作品へと繋がる。 「しぃのうた」からブレることのない作風が魅力の、たけはらみのる氏の名前がスクリーンに登場するなり、客席の拍手がいっそう大きく鳴り響いた。 「魔女と森の精霊」(公開未定)と題された作品は、最高の音楽にのせた、モーショントゥイーンが特徴的な「いつもどおり」の徹底的に見る人を意識したFLASHだった。 魔女狩りの標的になった魔女と森の精霊の話は、ほのぼのとした雰囲気の中にもたけはら氏一流のトゲが感じられる絶妙のバランス。その柔らかなタッチは巨匠の健在を知らしめた。意表をつかず搦め手で勝負しない、常に王道を走り続ける作風。この作品こそが、変わり続けるFLASHにおいて、変わらず穏やかにあり続ける「森」なのかもしれない。それこそが、たけはら氏の魅力なのだろう。
そしてイベントは2作を残して佳境を迎える。 かつて「ポックの友だち」で新しい世界を見せてくれたえぬ氏の新作は「空想少女」(8月7日公開)少女の脳の中からひたすら世界が広がり続ける空想を描いた作品は、時間にすれば5分程度の映像だったが、一度引き込まれた観客にとっては20分以上にも感じられる長い旅だった。 えぬ氏独特の耽美なタッチもさることながら、空想という形のない世界を完全に視覚化できる描写力を存分に味わえる、期待を裏切らない大作だ。
そして大トリは日暮里本社氏の「九尾の狐と見越入道」(8月7日公開)。「土煙高田馬場」で昨年大ブレイクを果たし、たった一年でSlashupのクローザーを務めるまでになった日暮里本社氏の作品は、日本昔話をモチーフにした上質の短編小説だ。
平面のスクリーンに深い奥行きを出現させたその技量は、FLASHの可能性をまざまざと見せつけるものだった。最後までたゆみなく流れる静けさの中で、世界観に引き込む表現力は見事としか言いようがない。 こうして、大トリにふさわしい最高の作品によって、イベントは全プログラムを終了した。 |
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| 「これからのFLASHは受け手を意識した形に変わっていくだろう」 イベントの最後、井上トシユキ氏はそう自らの言葉を締めくくった。イベントを通して参加者を盛り上げた作品は、どこか受け手を意識した作りを目指しているように感じた。FLASHの多様化が進み、技術の格差も開く一方だが、人を楽しませるFLASHはいつだってスクリーンの向こうの存在を意識している。かつてのような技術力だけで目立てる時代ではない。自分の作りたいものを技術力にまかせて垂れ流す時代は終わったのかもしれない。 「おもしろい、笑える作品が少なくなってきていますね」 一方でひろゆき氏はこうも言った。この講評も今を見事に言い表したものだろう。事の善悪は分からないが、それはFLASHのメインステージが2ちゃんねるから離れはじめた結果なのかもしれない。今後さらに受け手を意識した、楽しい作品が出てくれば、もっとFLASHは面白くなるに違いない。 ともあれ、FLASHはソフト自体のアップグレードに応じて、送り手も受け手も大きな広がりを見せている。かつてWebの部品でしか過ぎなかったFLASHがここまでの芸術作品になり得る。それはFLASHの持つ無限の可能性を示しているように思えた。 かつて100余名の作家が集まった「第2回 紅白FLASH合戦」が終わったあと、五十嵐氏は筆者にこう言った。 「まだFLASHを知らない人たちに、こんなに面白いものがあるんだよ! とアピールしたいんです。作り手と受け手を結びつける架け橋になりたいですね。そう思ってイベントを続けています」 その思いは今も変わらない。これこそが彼らの原点であり、きっとゴールなのだ。 そしてそれはきっと、イベントの参加者を含めたFLASHファン全てが共有できる夢に違いない。 |
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| ⇒「Slashup★02」レポート〜前編〜はコチラ | |||||||||||||||||||||||
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