【制作日記】6歳児の気持ち
衣装は母のウエディングドレスを短く直したものだった。
花のレース付きで、腰をリボンで結んだ白いドレス。
襟(えり)だけがやけに大きかった。
頭には金色の厚紙製の王冠。
保育園の卒園式の日、私はおやゆび姫だった。
クラスは10人で、女の子は私一人。
だから「おやゆび姫」の劇と決まったら、主役は私しかいない。
私がチビだから、先生がこの劇を思いついたのではないだろうか。
男の子より小さいのはもちろん、私は一つ下の女の子たちより小さかった。
保育園では毎日、9人の男の子と朝から夕方まで過ごした。
ジャングルジムに上ったり、仮面ライダーごっこをした。
すぐ髪の毛を引っ張るS君以外は、皆優しかった。
中でもノッポのH君は一番のお気に入りで、三輪車で二人乗りもした。
劇は物語を大幅に縮めて変形していた。
まるで私の衣装みたいに。
主役の他は、モグラとツバメに、花の国の子供たち。
ノッポで痩せ形のH君はモグラで、ずんぐり太めのK君がツバメ。
反対ならピッタリなのにと子供心に思った。
「結婚してください」とモグラのH君は言った。
私はとても複雑な気持ちで、セリフ通り「いやです」と答えた。 (片岡まみこ) |
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