【制作日記】人魚の教訓
百貨店で、小さめの浮き玉を見つけ、
嬉しくなって3つも買う。
青緑色のガラス玉を眺めていると、
心がきゅうっと深い海の底に吸い込まれていく。
海底まで沈んでいって、人魚を作ろうと決めた。
水中に揺れる髪。
真珠のような瞳。
「人魚姫」、「赤い蝋燭(ろうそく)と人魚」
人魚の物語は、悲しげなものばかり。
人魚姫は、足と引き換えに声を失い、
おまけに歩くと激痛が走る。
何も言えず、失恋して海の泡になる。
しかし、伝説の人魚はそれとは違う。
飛び抜けた美しい姿に美しい歌で誘う。
通りかかった漁師は惑わされ、海に引きずり込まれる。
人魚のままならば、かなり逞(たくま)しいようだ。
いくら美しくても、痛みで顔をゆがませて、
得意の歌も披露できなければ魅力半減。
自分に合った場所にいることが、それだけ重要なのだ。(片岡まみこ)
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