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講談社 無料Webコミック MiChao!(ミチャオ!)
無料で楽しむ漫画サイト! 『MiChao!(ミチャオ)』は講談社の新作漫画を無料で見られるWebサイトです。 『アブナイH娘♪ トコナッツ!』(中貫えり)『リカレント・ブルー』(かわらじまコウ)をはじめ、面白い作品ぎっしりのページをお届けします!!
表現は変化する!デジタルクリエーターの技 第8回 1月26日更新
デジラボ
フラッシュ・アニメ・ゲームなど、 今、デジタルの世界では新しい表現方法が、日々進化している。その先端を走る次代のクリエーター達を紹介&その魅力を研究する。それがデジラボ!
今回のピックアップ 富岡聡 http://www.kanaban.com
プロフィール
1972年生まれ
1997年東京農工大学大学院終了
1997年株式会社DreamPicturesStudio入社
1999年フリーランスに転向
2004年カナバングラフィックス設立
代表作
『ウサビッチ』
サントリー『バブルマン』CM
『EXIT』VIRAL映像
DJ HASEBE「MASTERMIND」ミュージックビデオ
Smap Short Films
富岡聡と申します。
ショートアニメーション、CMなどの演出やデザインなどを行なっております。クリエイティブの仕事は基本的に紙と鉛筆になります。
他のスタッフが使用しているPCはショップブランドのPCになります。
CG制作のメインツールはMAYAになります。
Q&A 富岡聡氏に直撃インタビュー
Q アニメーションの制作を始めたきっかけはなんですか?
A 大学を卒業後、1年半ほど映画の制作会社に勤務をしていました。私は主に背景やキャラクターのモデリングを担当していました。
就職するまでもモデリング中心で静止画は制作してましたがアニメーションは作っておりませんでした。
私が制作したキャラクターを動かしているアニメーターの人達の作業が面白そうだったので自分で動かしてみたくなり、アニメーションの勉強を始めました。
その後、フリーランスに転向した際に最初のアニメーション作品を発表しました。
Q 個人制作を始めた時と現在とで、ここが変わったというポイントがあれば教えてください。
A 初期の作品は個人作品でしたので自由に制作してました。
現在はそれを職業としているのでクライアントさんから様々なオーダーが来ます。
全てのオーダーを反映させた上で自分の個性を反映させなければならないと考えています。
作品が露出されるウィンドウを見ているユーザーのことも考えなければなりません。
注文や制限の中で自分のよさとかクオリティの高さを出していく、そういう意識が最初のころはありませんでした。
Q クライアントからの注文の中に入れている、富岡さんなりのこだわりを教えてください。
プレイステーション用ソフトのバイラルCM『EXIT』より
A こだわりというよりも映像演出などの教科書通りに正しく作るように心がけています。
クライアントさんからトリッキーな演出を求められることが多いので、土台となる部分を丁寧に作らないと訳がわからないものになってしまいます。
またデザインの段階から見た目の分かりやすさも重視してます。短い尺の映像が多いので、状況説明のカットを入れる時間があまりありません。パッと見ただけでキャラクターの職業や性格、バックグラウンドまで見えてきそうなデザイン画を描くようにしています。

Q 作品を作る際に、想像の源となっているものがあれば教えてください。
A 子供の時に見たアニメ、絵本や漫画の影響が強いです。
20年振りに『トムとジェリー』のDVDを見たらまったく同じカット割りや演出がありました。
Q 小さいころはどういった作品がお好きだったんですか?
A 『トムとジェリー』、『ガンダム』や海外の絵本などです。特に絵的には絵本の影響を受けていていると思います。
藤子・F・不二雄も好きでほぼ全部揃えてました。
Q 脱出パズルアクション『EXIT』というプレイステーション用ソフトのバイラルCMを2本、制作していらっしゃいます。
バイラルCMという通常と違いクチコミのような感じで広がっていく広告媒体ですが、何か意識して作られたということはありましたか?
A テレビですと例えば暴力的なものは規制が非常に厳しいです。
インターネットの場合、そういった規制があまりないので表現の制限が少ないと意識しただけで、作り方を何か変えたわけではないです。
プレイステーション用ソフトのバイラルCM『EXIT』より
Q 『EXIT』のバイラルCMは、2作品とも逃げることがテーマになっていますが、それはこの脱出パズルアクションソフトということを意識して作られたのでしょうか?
A クライアントさんからはご自由にと言っていただいたのですが、全然違う映像を作ってしまうと広告として意味がないような気がしたので、脱出というコンセプトだけは残し、シチュエーションだけ変えました。
Q 『EXIT』のバイラルCMは、2作品ともスローモーションとスピード感に溢れた作品でしたが、どういった効果が生まれるのでしょうか。
A カットの合間にスローモーションを入れることでアニメーションの流れに緩急がつきます。
その瞬間のキャラクターの必死さ、リアクションなども伝わってきます。状況説明なども兼ねています。
プレイステーション用ソフトのバイラルCM『カンガエルEXIT』より
Q すごく細かいことなんですが、『EXIT』のバイラルCMは、2作品とも大根が武器なっていました。富岡さんは大根がお好きなんですか!?
A 1作目の『EXIT』では最初は包丁を投げる予定だったのですがクライアントさんからNGが出たので大根に変更しました。大根が壁に刺さることで結果的に包丁より恐く、面白くなったと思います。
2作目では、持っている箸を投げる予定だったのですが同じくNGが出たので、じゃあまた大根でいいやと。

Q このデジラボの母体となっているMiChao! という無料漫画サイトでもバイラルCMを作ったりしています。
もし富岡さんがMiChao!のバイラルCMを作るとしたら、どんな感じのものになりますか?
A オーダーをいただかないと何とも言えないですね(笑)。
クライアントさんからのオーダーを聞かずに好きに作ると失敗することが多いので。それと考えて結論を出すタイプなんで、急には出てこないです。
Q 富岡さんの作られた作品で『ウサビッチ』があります。監獄の中で暴れまわるウサギ達という今までにないモチーフですが、どういったねらいで作られている作品なのでしょうか?
『ウサビッチ A労働の時間』より
A 当初はモバイルコンテンツとして制作を始めました。携帯の小さい画面で見やすいようにキャラクターも動物をモチーフにして、動きやカメラもシンプルに作ってあります。
『ウサビッチ』は初めてのシリーズものなので、可能な限り長く続けたいと思います。
初心に帰って子供の頃によく見ていた『トムとジェリー』のようなオーソドックスでいいアニメーションになるように丁寧に作って行きたいと思います。

Q 『ウサビッチ』の主役2匹のモデルはいるんでしょうか?
A あの2匹の対照的なキャラクターは、今までに作ってきたキャラクターの性格、動き、演出などを全て引き継いでいます。プーチン(緑ボーダーのウサギ)は体の重心を柔らかく、動きの表情が豊かでオーソドックスに、キレネンコ(赤ボーダーのウサギ)はシャープでバイオレンスな動きになります。
『ウサビッチ @食事の時間』より
Q ちなみにどちらのキャラがご自分に似ていらっしゃいますか?
A あの2匹よりは、看守に似てると思います。
勝てないと分かっていても、しつこく粘るのは逆に前向きでいいと思います。
Q 富岡さんは効果音と動画のみで素晴らしい作品を作り上げていますけれども、セリフを必要としないコツというのは何でしょうか?
A セリフが必要なアニメーションの依頼が少ないというだけです。
過去に会話劇みたいなのもいくつか制作していますし、現在も製作中のものがあります。
どちらも好きです。
Q 今後アニメーションでやりたい事とか野望とかはありますか?
A TVシリーズを目標にしています。数年前から準備しているTV用の企画があるのでそれを実現したいと思っています。
Q 新時代のデジタルクリエイターに向けてのメッセージをお願いします。
A 締め切りは守りましょう。
Q それではファンの方へのメッセージをお願いします。
A 今後は複数のデザイナーと組んで色んなテイストの作品を作って行きます。
見た目は変わりますが根っこの部分は全く変わらないので楽しんでもらえると嬉しいです。
ハマるよね 富岡聡氏のココが好き!

くねりん、くねりん〜 くねくねキャラクターの動きって、なんかハマる。

『カナバン グラフィックス』のHPのTOPページをアクセスしてみると……富岡作品が掲載されているサイトへのリンクが張られている。ここから『ウサビッチ』の動画サイトへ飛んでみて欲しい。
『ウサビッチ』とは、その名の通り、ピンクの小憎らしいウサギのアニメ。なのだが、これが、「くねりん、くねりん〜」と動いていて、いい感じ! なのです。

『ウサビッチ Bシャワーの時間』より『ウサビッチ』は、囚ウサギとして同じ部屋に収容されている2匹のウサギと看守(看守……というよりトビラ?)との駆け引きを描いたシンプルな物語だ。
緑ボーダーのウサギは間抜けで与えられたものをよしとする性格。もう1匹の赤ボーダーのウサギはクールでワガママな性格。看守(……というよりトビラ?)は権力を振るい囚ウサギを服従させようとするが、実はビビリな性格。
このようなキャラクターの組み合わせは、漫画でも成立する。
それならば『ウサビッチ』が漫画として成立するか、というと、それはまた違う話になってしまう。
『ウサビッチ』はムービーならではの面白さ=「遊び」の使い方が絶妙なのだ。
物語は緩やかに進んでいるのに、緑ウサギがまったりと「くねりん、くねりん〜」と動いている。この「くねりん、くねりん〜」のテンポが、なんともいいんです。

富岡作品の特徴は、キャラクターや物語の展開もさることながら、この「くねりん、くねりん〜」に限る。あるときは、ぼーっとしたウサギが、あるときは珍妙なひよこが、あるときは、憎らしげな猫が「くねりん、くねりん〜」と動いている(そういえば、富岡氏が関わった清涼飲料水『バブルマン』のCMを思い出してみると、バブルマンの腰が「くねりん、くねりん〜」と動いていたような気がしてきた)。
この動きがあれば「ああ、この作品は富岡作品なんだ」とすぐに気付くに違いない。

プレイステーション用ソフトのバイラルCM『カンガエルEXIT』よりもうひとつ『カンガエルEXIT』のバイラルCMを見てみよう。 
内容は、ご飯のおかずに焼き魚を食べようとしていた老夫婦の前に颯爽とドラ猫が現れ、焼き魚を盗んでいくというだけのものだ。しかし、老夫婦は怒りに我を忘れ、竹刀から火を発火させたり、入れ歯を飛ばし焼き魚だけを奪い取ろうとしたり、目からビームを発射させるなど、ファイターへと変身。猫相手に本気で戦う老夫婦の追いつ追われつの激しい攻防を描いた作品だ。
……なのだけど、冒頭のドラ猫が例の「くねりん、くねりん」とした動き。富岡作品はこの動きだよね! 

キャラクターは漫画でも描くことができる。物語の展開はアニメーションでも漫画でも演出することはできる。ところが、それら作品として主軸となる演出以外の所に、ちょっとした個性を仕込んでおく。
この個性こそ作家性といえる。
キャラクターや物語を作ることができたとしても、ムービーの場合はそれだけでは足りない。
「テンポ」「間」「キャラ」などの言い方で表現されることが多いが、これらは「作家性」ということができる。
富岡作品は内容が面白いのは当然だが、ユーザーを病み付きにさせる「チョットした遊び」=「くねりん、くねりん〜」が、たまらなくいいよね。

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